「退職代行で辞めます」そのとき会社がとるべき対応とは?
ある日突然、会社に「退職代行業者」から連絡が入る――
近年、特に若年層を中心に「退職代行サービス」を利用して退職の意思を伝えるケースが増えています。
経営者や人事担当者にとっては、「いきなり退職?」「直接話もできないの?」と困惑してしまう出来事ですが、誤った対応をすると労務トラブルに発展する可能性もあります。
今回は、「退職代行を使ってきた社員」に対し、会社が冷静に対応すべきポイントを解説します。
退職代行とは?利用が増えている理由
退職代行とは、本人に代わって会社に退職の意思を伝えたり、必要な連絡を代行するサービスです。
弁護士が行うものもあれば、民間企業が代行するものもあります。
利用が増えている背景には
・直属の上司に言い出しにくい
・退職を引き留められたくない
・精神的に追い詰められていて、直接連絡するのが困難
といった理由があり、特に20~30代の若年層で急増しています。
退職代行を使われたときのNG対応
退職代行から連絡が来たとき、感情的になってしまう経営者も少なくありません。
ですが、以下の対応は絶対に避けましょう。
・「本人から直接連絡させろ」と突っぱねる
・「辞めるなら損害賠償を請求する」と脅す
・連絡を無視する
退職は「労働者の権利」であり、民法上、労働者は2週間前に申し出れば退職できるとされています。
本人が直接言ってこないからといって、退職そのものを拒否することはできません。
また、本人が精神的に追い詰められている場合もあります。
会社側が強引に連絡を迫ったり、脅しのような言動を取ると、ハラスメント認定や訴訟リスクにもつながりかねません。
会社がとるべき冷静な対応ポイント
1. 退職の意思を確認し、受理する
まずは退職代行からの連絡を受け、退職の意思が本人にあることを確認します。
書面やメールで「退職日」「退職理由(自己都合かどうか)」を明確にしておきましょう。
2. 退職手続きに必要な書類を準備・送付する
離職票、源泉徴収票、健康保険資格喪失証明書など、必要な退職書類を整え、本人に郵送します。
私物や貸与物(制服・社用PC等)がある場合も、返却方法を文書で案内するのがベストです。
3. 給与や有給休暇の精算を適切に行う
退職日までの未払給与や、有給休暇の残日数分の給与を適切に精算しましょう。
未払いがあると、労働基準監督署への申告やトラブルに発展するリスクがあります。
4. 弁護士が対応している場合は慎重に
退職代行が弁護士である場合、本人の代理人として法的交渉を行うことができます。
この場合、会社としても社労士や顧問弁護士に相談し、法的に適切な対応をとる必要があります。
退職代行を“防ぐ”ための職場作りも重要
退職代行を使われる背景には、「直接話し合える雰囲気がない」「退職の申し出がしづらい」という社内風土があることも少なくありません。
普段から、社員が相談しやすい環境を作ることも、退職代行利用の抑止につながります。
・定期的な1on1ミーティング
・退職相談のフローを明文化
・退職を責めるのではなく、前向きに送り出す風土作り
このような取り組みが、会社の信頼性を高め、人材流出の防止にもなります。
社労士からのご提案
退職代行の利用は今後も増加が予想され、どの企業にとっても“他人事”ではありません。
しかし、正しい知識と対応を知っていれば、慌てずに適切な処理ができます。
クラリ社会保険労務士事務所では、退職トラブル対応マニュアルの作成や、就業規則・退職手続きフローの整備もお手伝いしています。
いざという時に慌てないために、ぜひ一度ご相談ください。
クラリ社会保険労務士事務所では、愛知県津島市を拠点に、障害年金の請求代行をはじめ、労働トラブルのご相談や就業規則の作成・見直しなど、幅広い社会保険労務士業務を行っています。
特に障害年金については、多数のご依頼をいただいており、初回のご相談から丁寧にサポートいたします。
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