障害年金と労災・傷病手当金のちがいと併給の注意点

「病気やけがで働けなくなった…」そんなときに頼りになる公的な給付制度として、

【障害年金】【労災保険】【傷病手当金】の3つがあります。

これらはそれぞれ制度の目的や申請先、対象となる人が異なりますが、

なかには【複数の制度を同時に利用できるケース】もあります。

ただし、「全部を満額もらえるわけではない」「併給調整されることがある」などの注意点も。

今回は、よくある相談内容をもとに、

制度の違いや併給の注意点を解説します!


✅ それぞれの制度の目的と特徴

● 障害年金(公的年金制度の一部)

・対象:病気やけがによって生活や仕事に支障が出ている人

・支給期間:長期(原則、障害の状態が続く間)

・申請先:年金事務所

・ポイント:初診日や保険料納付要件が重要

● 労災保険(障害補償給付など)

・対象:業務上・通勤中のけがや病気

・支給期間:治療中または障害が残ったときなど

・申請先:労働基準監督署

・ポイント:会社が労災と認めるか、証明書類が必要

● 傷病手当金(健康保険制度の一部)

・対象:私傷病で働けない状態(業務外のけが・病気)

・支給期間:最長1年6か月

・申請先:健康保険(協会けんぽや健保組合)

・ポイント:休業4日目から支給、就労不能の証明が必要


💡 よくあるケースと併給の注意点

ケース1:交通事故(通勤中)でけが → 労災+障害年金?

→ OK。ただし、調整あり

通勤災害なら労災の対象になり、かつ障害年金の条件も満たせば、両方申請可能です。

ただし、「労災年金」と「障害厚生年金」は併給調整され、

その分、どちらか一方の金額が差し引かれる場合があります。

ケース2:業務外で発症した病気で休職中 → 傷病手当金+障害年金?

→ OK。併給可能な場合が多い

私傷病(例:がん・うつ病・心臓病など)の場合、まずは傷病手当金で生活を支えつつ、

障害認定日以降に障害年金の申請も可能です。

原則として重複受給ができます。

ただし、「同じ期間に同じ理由で受けている手当」がある場合は確認が必要です。

ケース3:労災でけが → 労災保険と障害年金と傷病手当金、全部いける?

→ 原則として不可

労災が認められた場合、そのケガや病気については健康保険(=傷病手当金)は使えません。

「労災」と「健康保険」は排他的な関係です。

労災で治療中→労災の休業補償給付

後遺障害が残った→労災の障害補償年金 or 一時金+障害年金(併給調整あり)


⚠️ 併給の注意点まとめ

● 障害年金と傷病手当金は併給できるケースが多い

→ ただし、同一事由・同一期間に注意

● 障害年金と労災年金は併給されるが、調整あり

→ どちらかの金額が一部減額されることも

● 労災と傷病手当金は原則併給不可

→ どちらの制度を使うかは最初の選択が重要


📌 社労士からのひとことアドバイス

「申請できる制度があるか分からない」

「どこに何を出せばいいか分からない」

「会社に言い出しづらい」など、迷う方は多いです。

制度は複雑に見えますが、正しい順番で申請すれば損はしません。

ご自身の状況にあった制度をしっかり使い切るためにも、

早めに専門家へ相談することをおすすめします。


📞 ご相談はクラリ社会保険労務士事務所へ

障害年金・労災・傷病手当金のご相談は

経験豊富なクラリ社会保険労務士事務所までお気軽にどうぞ。

あなたの状況に合った申請ルートをご案内いたします。

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