「未払い残業代」請求を防ぐには?労働時間管理で押さえるべき3つの視点

「うちは自己申告制で管理してるから大丈夫」

「昔からの慣習で残業代は払ってないけど、今までもめたことがない」

こんなふうに油断していませんか?

実は、未払い残業代請求は、退職後やトラブル時に突然降ってくる経営リスクです。

SNSの普及により、従業員が簡単に情報を得て請求するケースも急増しています。

今回は、未払い残業代請求を防ぐために、企業が必ず押さえておくべき労働時間管理の3つの視点について解説します。


1. 労働時間の「正確な記録」ができていますか?

最も基本で、最も重要なのが「労働時間の記録」です。

・タイムカード

・ICカード(勤怠打刻)

・PCログ管理

など、客観的に労働時間を証明できる仕組みがなければ、

「会社が労働時間を管理していなかった」と判断され、労働者側が有利になります。

よくあるのが「自己申告制」で出退勤時間を記録させているケースですが、

実際の勤務実態とズレがある場合、会社側に管理責任が問われるリスクがあります。

“出勤は打刻してるけど、残業は口頭報告だけ”

これでは「会社が残業実態を把握していなかった」とみなされます。

労働時間の記録は“客観的”かつ“改ざん防止できる仕組み”を整えましょう。


2. 残業の事前申請・承認フローが機能していますか?

「残業は上司に申請すること」というルールがあっても、

・現場の忙しさで申請が形骸化している

・事後申請ばかりになっている

・上司が承認していなくても黙認している

こういった状態では、残業代請求を防ぐことはできません。

労働基準法では、“会社が残業を黙認していた場合”でも、

残業命令を出したのと同じと見なされ、支払い義務が生じます

未払い残業代請求を防ぐには、

・残業前の申請義務化

・上司による承認チェック

・「許可なく残業した場合は賃金支払対象外」という就業規則の整備

といったルールをしっかり運用する必要があります。

ただし、実際に働かせておいて「許可してないから払わない」は通用しません。

あくまで“事前承認制が運用されているか”が問われます。


3. 名ばかり管理職やみなし残業に頼りすぎていませんか?

「役職手当を払ってるから残業代は発生しない」

「みなし残業代を含んでるから、残業代請求はされない」

そう思っていると危険です。

名ばかり管理職で、実態としては労働時間の裁量がない場合や、

みなし残業時間を超えた分の賃金が払われていない場合には、

“未払い残業代”として請求されるリスクがあります。

特にみなし残業制を導入している企業では、

・みなし残業時間を明記しているか

・超過分はきちんと支払っているか

・みなし残業手当が、時間外労働の対価として妥当な額か

をチェックする必要があります。

一度でも残業代請求が認められると、2年(場合によっては3年)分の過去の残業代を遡って支払う必要があり、

中小企業にとっては経営に大きな打撃となりかねません。


社労士からのアドバイス

未払い残業代請求は、「知らなかった」では済まされません。

小さな“ゆるみ”が、数百万円規模のトラブルに発展することもあります。

大切なのは、

・客観的な労働時間記録

・明確な申請・承認フロー

・みなし残業・管理職の適正運用

この3つを“実際に現場で運用できる仕組み”として整備することです。

クラリ社会保険労務士事務所では、

労働時間管理の体制見直し・未払いリスクチェック・就業規則の整備までトータルでサポートしています。

「うちは大丈夫かな?」と不安に思った方は、ぜひご相談ください。


クラリ社会保険労務士事務所では、愛知県津島市を拠点に、障害年金の請求代行をはじめ、労働トラブルのご相談や就業規則の作成・見直しなど、幅広い社会保険労務士業務を行っています。

特に障害年金については、多数のご依頼をいただいており、初回のご相談から丁寧にサポートいたします。

津島市周辺(愛西市、あま市、弥富市、稲沢市、蟹江町、大治町、飛島村、清須市、名古屋市中村区・中川区・港区など)で、障害年金の申請や労働問題のご相談先をお探しの方は、ぜひ一度クラリ社会保険労務士事務所までお気軽にご連絡ください。

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