パワハラを受けたらどうする?
~加害者にも、被害者にもならないために~
職場での人間関係は、業務の成果や職場環境に大きく影響を与えます。その中でも深刻な問題のひとつが「パワーハラスメント(以下、パワハラ)」です。
■ パワハラとは何か?
厚生労働省では、パワハラを以下の3要件をすべて満たす行為と定義しています。
• 優越的な関係に基づいて行われる
• 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
• 労働者の就業環境を害する行為
たとえば、「お前なんか辞めちまえ」「能力が低すぎて話にならない」などの暴言や、無視・隔離、過剰な業務の押しつけ・逆に仕事を与えない、といった行為が典型です。
■ 被害にあったらどうすればいい?(従業員向け)
1. 証拠を残しましょう
パワハラかどうかを判断するためには、証拠が非常に重要です。以下のようなものを記録・保存しておくことをおすすめします。
• 日時・場所・内容のメモ(できれば時系列)
• メールやチャット履歴
• 録音(可能な範囲で)
2. 社内窓口や上司に相談
企業ではハラスメント相談窓口設置が義務化されています。相談窓口が分からない場合には、確認を行いましょう。
まずは直属の上司や、別の信頼できる上司、人事担当者に相談してみることもいいでしょう。
3. 外部機関に相談することも可能
• 労働局の「総合労働相談コーナー」
• 労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」
• 労働相談可能な社会保険労務士事務所(当事務所でも対応可能です)
■ パワハラが起きたらどうする?(事業主・管理者向け)
1. パワハラ防止法(労働施策総合推進法)への対応が義務に
2022年4月から、中小企業を含めすべての事業主にパワハラ防止措置が義務化されました。以下のような措置が求められています。
• 相談窓口の設置と周知
• 再発防止策の実施
• 被害者・加害者への適切な対応
• 就業規則への明記
2. 管理職教育と職場風土の見直し
「知らないうちにパワハラになっていた」というケースも多くあります。管理職向けの研修や、日常的な声かけ・報連相のしやすい雰囲気づくりも重要です。
3. 初期対応が肝心
被害を訴える声が上がったら、まずは真摯に受け止め、早期に事実確認を行うことが重要です。対応を誤ると、企業の法的リスクや風評リスクにもつながりかねません。
■ まとめ:誰もが安心して働ける職場へ
パワハラは被害者だけでなく、組織全体の信頼を失わせる深刻な問題です。一人で抱え込まず、まずは声をあげること。そして事業主としては、声が上がった時に誠実に対応できる体制を整えることが求められます。
社労士にご相談ください
パワハラの相談対応や防止措置の導入、就業規則の整備、研修の企画など、当事務所では幅広くサポートしています。「うちは大丈夫だろう」と思っていても、備えがなければ対応が遅れ、トラブルに発展することも。
お困りの際は、お気軽に【クラリ社会保険労務士事務所】までご相談ください。
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