うちは大丈夫?就業規則が古いままの会社が抱える見えないリスク
「うちは昔、社労士に作ってもらった就業規則があるから大丈夫」
「就業規則って一度作ったら変えなくていいんでしょ?」
そんなふうに思っていませんか?
実は、就業規則は一度作ったら終わりではありません。
法律改正や職場環境の変化に合わせて、定期的に見直しをしないと“トラブルの元”になります。
「うちは大丈夫」と思っていても、いざという時に就業規則が会社を守ってくれない。
そんなリスクを抱えている企業は少なくありません。
今回は、就業規則が古いままの会社が抱える“見えないリスク”についてお話しします。
法律改正に追いついていない就業規則は“違反”になることも
労働基準法をはじめ、働き方改革関連法、パワハラ防止法、社会保険適用拡大など、労務に関する法律は年々改正されています。
例えば
・年次有給休暇5日取得義務(2019年)
・中小企業への時間外労働の上限規制適用(2020年)
・パワハラ防止措置の義務化(2022年)
・社会保険の適用拡大(2024年・2025年)
これらの法律改正に就業規則が対応していないと、「規則どおりに運用していたら法律違反だった」ということにもなりかねません。
また、退職時のトラブルやハラスメント対応、懲戒処分ルールなど、万が一の時に備えるためにも最新の法令に準拠した規則整備が必要です。
古い就業規則が招く具体的なリスク
1. 有給休暇取得義務に対応しておらず、労基署の是正対象になる
2. パワハラ・セクハラ対応フローが整備されておらず、トラブル時に企業責任が問われる
3. 時間外労働の上限規制に違反し、残業代請求・是正勧告を受ける
4. 退職時の返却物・秘密保持・競業避止義務などが曖昧で、元従業員とのトラブルに発展
5. 実態と違う古いルールのまま運用し、社員から不満や不信感を持たれる
就業規則は「ただ作ればいい」ものではありません。
現場の運用に合ったルールであること、法律に準拠していること、そして社員にきちんと周知されていることが重要です。
モデル就業規則の使いまわしに要注意
インターネットで拾ったモデル就業規則や、10年前に社労士が作ったものをそのまま使い続けている企業も多いですが、それは大変危険です。
モデル就業規則はあくまで“ひな形”であり、会社ごとの実態や最新法令に合わせてカスタマイズする必要があります。
また、社内の実情に合っていない規則を掲げていると、社員から「会社はちゃんと労務管理できていない」と信頼を失う原因にもなります。
会社を守るために必要な“就業規則のメンテナンス”
では、就業規則のリスクをなくすために、何をすれば良いのでしょうか?
1. 法改正があるたびに内容を確認し、必要に応じて改訂する
2. 実際の運用と就業規則の内容が合っているかチェックする
3. 問題が起こった時の対応フロー(懲戒処分・休職・退職手続き等)を明確にする
4. 全社員に就業規則を周知し、理解してもらう(紙面交付・データ配布)
これらのメンテナンスを怠ると、「いざという時に会社を守ってくれない規則」になってしまいます。
社労士からのアドバイス
就業規則は“会社を守る防波堤”です。
しかし、その防波堤が古くなってひび割れていれば、大きな波(トラブル)が来た時に簡単に壊れてしまいます。
トラブルが起こる前に見直しておくことこそが、リスクマネジメントの第一歩です。
クラリ社会保険労務士事務所では、
・法改正に対応した就業規則の見直し
・現場運用に合ったオリジナル就業規則の作成
・社員へのルール周知
までトータルでサポートしています。
「うちの就業規則、ちょっと心配かも…」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。
クラリ社会保険労務士事務所では、愛知県津島市を拠点に、障害年金の請求代行をはじめ、労働トラブルのご相談や就業規則の作成・見直しなど、幅広い社会保険労務士業務を行っています。
特に障害年金については、多数のご依頼をいただいており、初回のご相談から丁寧にサポートいたします。
津島市周辺(愛西市、あま市、弥富市、稲沢市、蟹江町、大治町、飛島村、清須市、名古屋市中村区・中川区・港区など)で、障害年金の申請や労働問題のご相談先をお探しの方は、ぜひ一度クラリ社会保険労務士事務所までお気軽にご連絡ください。
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