問題社員への対応、どこまでが合法?注意・指導・解雇の境界線
「遅刻・欠勤が多い」
「指示を無視する」
「勤務態度が悪く、職場の雰囲気を乱す」
そんな“問題社員”への対応に頭を悩ませていませんか?
企業には職場秩序を守る義務がありますが、
一方で、労働者の権利も法律で強く保護されています。
感情的に動いたり、曖昧な対応をすると、不当解雇や労働審判のリスクにもつながりかねません。
今回は、問題社員への対応で押さえておきたい【合法的な対応の範囲】や【記録の残し方】、【解雇に至るまでのプロセス】について解説します。
✅ まず知っておくべき「懲戒」と「解雇」の違い
● 懲戒処分
就業規則に基づき、問題行為に対して下されるペナルティ
(例:けん責・減給・出勤停止・降格・懲戒解雇など)
● 解雇
労働契約を終了させる会社側からの意思表示。
懲戒解雇でない場合も含め、正当な理由と手続きが必要です。
→ つまり、「もう限界だから辞めてもらう」という感情的な解雇はNG。
法的に有効な解雇とするためには、段階を踏んだ対応が求められます。
⚠️ どんな対応なら“合法”なのか?
【1】注意指導・面談
最初の段階では、口頭での注意や個別面談が基本です。
「何が問題だったのか」「どう改善してほしいか」を、具体的に伝えます。
【2】書面での注意・指導記録
再発防止のために、指導内容を書面で通知・保管します。
例:始末書提出、注意書面、改善計画書など
【3】懲戒処分の実施
就業規則に基づき、段階的な処分を行います。
いきなり懲戒解雇ではなく、「けん責→減給→出勤停止」など段階を踏むことが重要です。
【4】最終手段としての解雇
上記の手続き・証拠がそろっていれば、解雇が正当と認められる可能性が高まります。
ただし、「即時解雇」は原則として困難です。
📝 記録の残し方が“勝敗”を分ける
労働トラブルに発展した際、裁判所や労働審判で重視されるのが「証拠」です。
以下のようなものを日常的に記録・保管しておくことが有効です。
● 注意・指導内容を記録した書面
● 面談記録(日時・内容・対応者名)
● 勤怠記録・報告メール・社内チャット履歴
● 周囲からの相談・苦情(パワハラ等の場合)
→ 記録は「客観的」「時系列で整理されている」ことが大切です。
口頭だけで済ませず、必ず文書で残すクセをつけましょう。
🚫 避けたいNG対応例
● 感情的に怒鳴る、暴言を吐く
● 曖昧な表現で注意して終わらせる(「ちゃんとして」など)
● 注意や指導を一切せず、いきなり解雇通告
● 「辞めさせたいから退職届を書け」と迫る(退職強要)
→ これらの行為はすべて法的リスクが高く、トラブルの火種になります。
📘 解雇が認められるための条件とは?
労働契約法では、「解雇は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合に限り、有効」と定められています。
● 業務命令違反を繰り返した
● 注意・指導を重ねても改善がなかった
● 他の社員に悪影響を及ぼしている
● 証拠・記録が十分にある
→ これらの要素がそろって初めて、**“合法的な解雇”**と認められる可能性が出てきます。
🧩 社労士からのアドバイス
「問題行動があっても、どう対応していいか分からない」
「トラブルになったら怖くて何もできない」
そんな不安を抱える企業はとても多いです。
でも、何もしないことこそが最大のリスクです。
重要なのは、「正しい手順を踏むこと」。
感情ではなく、ルールと証拠に基づいた対応をすることで、
社員とのトラブルを最小限に抑えることができます。
クラリ社会保険労務士事務所では、
トラブルの予防から、就業規則の見直し、実際の対応のご相談まで
実務に即したサポートを行っています。
📞 ご相談はクラリ社会保険労務士事務所へ
「この社員、どう対応すべきか分からない」
「解雇する前に社労士の意見を聞いておきたい」
そんなときは、ぜひクラリ社会保険労務士事務所にご相談ください。
法律と現場感覚の両方を踏まえた、現実的な対応策をご提案します。
トラブルになる前に、まずはご相談を。
クラリ社会保険労務士事務所では、愛知県津島市を拠点に、障害年金の請求代行をはじめ、労働トラブルのご相談や就業規則の作成・見直しなど、幅広い社会保険労務士業務を行っています。
特に障害年金については、多数のご依頼をいただいており、初回のご相談から丁寧にサポートいたします。
津島市周辺(愛西市、あま市、弥富市、稲沢市、蟹江町、大治町、飛島村、清須市、名古屋市中村区・中川区・港区など)で、障害年金の申請や労働問題のご相談先をお探しの方は、ぜひ一度クラリ社会保険労務士事務所までお気軽にご連絡ください。
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